Big Bend National Park

フォートワースから約8時間のドライブ。テキサスの端、つまりはアメリカの端に位置するビックベンド国立公園にやってきました。高速の途中からは町もなくなり、何もなくなり、ただただ荒地が続くばかりでした。そんな中、道を横切る2匹のコヨーテ、短い足でも車と同じ40キロで走るイノシシ、それから隕石の跡を見ることができました。

さて、皆さんもご存知の通り、現在アメリカでは政府のシャットダウン20日目、かなりイレギュラーな状態が続いています。無償で働いている公務員の方々もいらっしゃいますが、この状況下で多くの公共施設が閉鎖されたままです。国立公園もその一つ。もちろん事前にホームページなどでキャンプ場、道路の閉鎖状況などは調べられますが、「突然の状況の変化にご了承ください」的な注意書きがあり、実際は行ってみないと、どのような様子なのかわからないのが本当のところでした。前回メキシコ湾沿いのPadre Island National Seashoreにいた時もシャットダウン中でしたが、キャンプ場に入れない人たちがビジターセンターの駐車場で寝泊まりしていましたし、(キャンピングカーで10台以上はいた)ビーチ横などパーク内ではどこでもキャンプ可でした。ですので、今回もキャンプ場が閉鎖でも、ほかの旅行者、特にアメリカの人たちがどうしているか見てみようということになりました。

入場ゲート、無料開放。(私たちはこの旅行のために国立公園年間パスを買ったのに意味なし...泣)ビジターセンター閉館。全てのキャンプ場は閉鎖。園内でのキャンプ禁止。(これもホームページを読んで知ったのですが、パーク内での寝泊まりは違法となり、上空からのパトロールもあるそうです。)パーク内では民間のキャンプ場とロッジが一つずつあります。パーク内といっても広さは東京都の1.5倍ほど。一つだけ開いている民間のキャンプ場まで片道2時間かかります。この日は諦めてパーク外のキャンプ場に泊まり、翌朝早朝、再びゲートをくぐりました。険しくもたくましい山々を抜け、無事到着。そして無事チェックインできました。35ドル。僻地にある民間のキャンプ場にしては安い方だとは思いますが、すぐ隣の閉鎖された国立公園のキャンプ場は14ドル。国立公園のキャンプ場の方が広く、かつ安いです。これも一つ問題。これからグランドキャニオンなど西アメリカでは多くの国立公園を旅する予定にしています。このままシャットダウンが続けば、毎回民間のキャンプ場に泊まることになり、コストも高くなるし、道路封鎖などでスムーズに旅ができなくなると金銭的にも時間的にも大幅なロスになります。そうすれば旅の順路を変更せざるを得ません。ビザにも問題ないように、今後の状況を見てこれからの旅について考え中です。今日もドライブ中にラジオを聴いていましたが、トランプ大統領、ご自身のお考えを変えるおつもりはないようですね。しかし、このアメリカのシステム、民主主義の国としてどうなんでしょうか。大統領に権力がありすぎるように思えてならないのですが。恥ずかしながら、今回までアメリカに政府シャットダウンシステムがあることさえ知りませんでした。予算が立たないからといって約80万人もの公務員にお給料が支払われない。警察や消防などセキュリティに関するお仕事をされている方は無給勤務をされています。そのほかの人たちは自宅待機。公共施設、学校なども掃除されず汚いまま。国立公園だって昼間は人の出入りがあります。ゴミを放置していると野生動物が近寄ってきたり、また、環境にも良くないと思います。泊まったキャンプ場からすぐのところに見晴らしのいいビューポイントがあったのでそこでランチにしました。崖を降り、川を渡ればそこはメキシコ。そのビューポイントの片隅にはメキシコ製の小物が並べてありました。私たちが昼食をとっている間、アメリカ人家族が子供におもちゃを、老夫婦が山登り用のステックを買っていました。お代は横にあるペットボトルに入れるだけ。あっという間に川の向こう岸からメキシコ人が馬とカヌーを使ってこちらに渡ってきてさらに物売りをしていました。トランプさん、癇癪を起こしてまで壁を立てたいと駄々をこねておられますが、個人的には現実問題無駄だと思います。ヨーロッパでも長年移民問題がありますが、どう国境を強化しても、海からでもトラックの荷台からでも来る人はどうにかしてくるんですよね。これからも増えることはあっても減ることはないでしょう。あるスイス人から、スイス人も差別的だけれど日本人が世界で最も差別的、と言われてドキっとしたことがあります。だって先進国なのに移民を受け入れてないじゃない?って。でもそのおかげと言ってはなんだけれどそれで自国を守れているのも事実、と。日本人に生まれて、日本人は世界でも優しい人たちだなあとぼんやりと思ってきた私にとっては衝撃的な言葉でした。日本は世界からそんな風に見られているのか、って。確かに大陸と繋がっていない日本は移民をシャットアウトしてきました。正直、だからここまで発展できたのかもしれない。しかし、もしかするとこれから世界との関わり方を考えていかないといけないのかもしれません。

と、かーなーり話はそれてしまいましたが、話を国立公園戻しますと、ここには天然温泉があったので早速行ってみました!駐車場から少し歩きます。川の横から湧きでる、かけ流し温泉。熱めで、湯加減最高。旅行に来て初めて浸かるお湯。景色もいいし、気持ち良かった〜 サンドロに何度もあがろうよ、と言われたけど、指がシワッシワになるまで入っていました。お湯から出たあとはお肌がもっちり、さらっとして、芯からデトックスできた感じ。すごく満足です。夕食は焼肉にして、すごかったのは無数の星とコヨーテの遠吠え。狼のように長く響く声ではなく、キャンキャンとした高い音でした。かなり近くでも鳴いていたので、キャンプ場からもみんなぞろぞろと出てきて懐中電灯を手に見に行ってました。いる!いる!余裕で肉眼で見える距離に3匹見ました。もしかしたらゴミをあさりに近くまできてたのかもしれません。

翌日はサンタエレナキャニオンに行きたかったのですが、通行止め。作業人数が足りず道路の安全確認、ゴミの管理などができないからだそうです。せっかく来たのに、残念。しかし、ビックベンドナショナルパーク、山の景色は圧巻でした。写真では山々の凄さの半分も伝わらないのが残念だけれど、本当に地球ができた頃からあるんだろうなぁと思わせる光景でした。スイスや日本でみる緑あふれた山や、硬い岩肌むき出しの山、牧草の広がった山とはまた違う、赤茶の粘土質な山に、乾いた地面。木は育たず、水はいたるところで干上がって水跡だけが見える。サボテンと土埃。恐竜がいそう。ああ、ジュラシックパークの背景って感じだ。こんな景色を見れただけでも、やっぱり来てよかった!

 

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